転勤を命じる人事権を前提に、拒否された場合の判断基準を固めておく
会社として予定どおり転勤を命じるのか、それとも本人の事情を尊重して見直すのか、あらかじめ方針を固めておくことが重要です。会社には転勤を命じる人事権があるという原則を前提としたうえで、拒否された場合のガバナンス、他の従業員への影響、人員配置や本人のキャリアへの影響などを踏まえ、一定のルールに基づいて判断する必要があります。転勤に限らない人事異動全般の拒否については人事異動を拒否されたらどうする?もあわせてご確認ください。
確認ポイント
- 就業規則や雇用契約上、転勤を命じることができるか
- 勤務地を限定する採用・雇用条件になっていないか
- 本人が転勤を拒否する理由を確認したか
- 育児や介護など、考慮すべき事情はないか
- 転勤の業務上の必要性を説明できるか
- なぜその従業員を転勤させるのか整理できているか
- 赴任時期など、会社側で調整できる条件はあるか
- どのような事情であれば転勤を見直すのか、判断基準はあるか
- 転勤を見送った場合、他の従業員への影響を検討したか
- 本人との面談内容や会社側の判断理由を記録しているか
- 転勤命令を維持しても本人が拒否した場合の対応を決めているか
- 最終的な判断を誰が行うか決まっているか
こんなケース、どうする?
「親の介護があるので転勤できません」と言われた。
介護の状況や転勤によって生じる具体的な影響を確認し、赴任時期の変更などで対応できるのか、転勤そのものを見直すのかを会社として判断します。
「子どもが小さいので転勤できません」と言われた。
本人の家庭事情を確認するとともに、過去の転勤者や同様の事情を持つ従業員への対応との整合性も確認します。
「採用時に転勤はないと聞いています」と言われた。
雇用契約書や労働条件通知書だけでなく、求人票や採用時の説明内容まで確認し、勤務地を限定する条件で採用していなかったかを確認します。
「転勤するくらいなら退職します」と言われた。
その場で退職として処理せず、本人の意思を確認したうえで、転勤方針を維持するのか、条件を調整するのかを会社として判断します。
本人の事情を考慮して転勤を取りやめることになった。
なぜ今回は転勤を見送るのかを記録し、今後同様の申出があった場合にも説明できるようにしておきます。
事情を確認したが、会社として転勤させる方針は変わらない。
会社として転勤を必要とする理由と最終的な判断を本人へ伝え、それでも拒否する場合の対応については、就業規則等に沿って会社として判断します。