私物対応の基本的な流れ

まず、「残っている私物を確認する」→「記録する」→「本人へ連絡する」→「返却・引取り・処分の方法を決める」という順番で対応します。私物を確認した際には、何が残っていたのか分かるようにリスト化し、必要に応じて写真を残しておくと、後から紛失や処分を巡る問題が起きた場合にも確認できます。本人と連絡が取れるのであれば、引き取りに来てもらうのか、郵送するのか、本人の意思に基づいて処分するのかを決めます。退職時に持ち出しを求められる資料への対応は退職者から「自分が作った資料がほしい」と言われたらもあわせてご確認ください。

連絡が取れない場合こそ記録を残す

難しいのは、本人と連絡が取れない場合です。一定期間が経過したことだけを理由に自動的に処分するのではなく、会社がいつ、どの連絡先へ、どのような方法で引き取りを求めたのかを記録しておきます。実際に、音信不通の退職者について、返送や内容証明郵便による引取り要請まで行っても私物が残り続けるケースがあります。こうした事態を毎回個別判断しなくて済むよう、退職時に私物の回収を確認し、残置物が発生した場合の連絡・返却方法まで退職手続きに組み込んでおくことが重要です。取引先など第三者から退職者への連絡を求められた場合の対応は取引先から退職者の連絡先を教えてほしいと言われたらで整理しています。

確認ポイント

  • 退職者のデスクやロッカーに私物が残っていないか確認していますか
  • 残っていた物品をリストや写真で記録していますか
  • 会社の貸与品と本人の私物を区別していますか
  • 本人へ引き取りや返却方法について連絡していますか
  • 郵送する場合の送付先や方法を本人と確認していますか
  • 本人から処分を依頼された場合、その意思を記録していますか
  • 本人と連絡が取れない場合の対応を決めていますか
  • 退職手続きの中に私物確認を組み込んでいますか

こんなケース、どうする?

退職後にロッカーから私物が見つかった。

中身を確認して記録し、本人へ連絡して引き取りや返却方法を確認します。

本人からすべて処分してほしいと言われた。

後から返却を求められることがないよう、処分を希望したことが確認できるメールなどを残したうえで処分します。

退職者と連絡が取れない。

連絡を試みた日時、連絡先、方法を記録し、私物についても写真やリストを残します。連絡不能だからといって、その時点ですぐにすべてを処分する運用にはしません。

食品や飲みかけの飲料が残っていた。

通常の私物と同じ期間保管することが現実的でない物については、衛生上の問題や腐敗の可能性も踏まえ、写真やリスト、廃棄日の記録を残したうえで個別に扱います。

高価そうな私物が残っていた。

会社側で価値を決めつけて処分せず、他の物品と分けて保管し、本人への返却を優先します。

退職から数か月経っているので処分したい。

経過期間だけで処分を決めず、本人への連絡状況や物品の性質を確認します。長期間保管したくないのであれば、退職時点で私物回収を完了させる運用に変更します。