関係性の深さだけでは提供の理由にならない
本人が在職中に取引先と親しくしていたことや、業務上頻繁に連絡を取り合っていたことだけで、退職後の個人的な連絡先まで提供してよいとは判断できません。取引先に連絡する必要がある場合には、取引先の連絡先や用件を確認したうえで、会社から退職者本人へ伝達し、本人の判断で取引先へ連絡してもらう方法もあります。重要なのは、総務担当者が相手との関係性や用件だけで判断するのではなく、退職者の個人情報を第三者へ提供する場合のルールを決めておくことです。退職者本人からの資料の持ち出し依頼については退職者から「自分が作った資料がほしい」と言われたらもあわせてご確認ください。
確認ポイント
- 退職者の個人情報をどこまで保管していますか
- 退職者の連絡先を第三者へ提供する場合のルールを決めていますか
- 取引先との関係が深いことだけを理由に連絡先を提供していませんか
- 連絡先を提供する代わりに、会社から退職者へ用件を伝える運用はできますか
- 退職者本人から第三者提供について明確な同意を得ていますか
- 退職者の転職先について問い合わせを受けた場合の対応を決めていますか
- 問い合わせを受けた日時、相手、用件、対応内容を記録していますか
こんなケース、どうする?
長年付き合いのある取引先から連絡先を求められた。
取引先との関係性だけを理由に、会社が保有している退職者の個人的な連絡先を提供しないようにします。
急ぎの案件で退職者に確認したいことがある。
連絡先そのものを提供するのではなく、会社が用件を確認し、必要に応じて退職者本人へ伝達する方法を検討します。
退職者の転職先を教えてほしいと言われた。
会社が把握している転職先についても、取引先から求められたことだけを理由に回答せず、第三者への情報提供として取り扱います。
退職者本人から連絡先を伝えてよいと言われている。
本人の同意がある場合でも、誰に、どの情報を、どのような目的で提供することに同意しているのかを確認してから対応します。
後任担当者が退職者へ確認したいことがある。
取引先への情報提供とは別の問題として、退職者へ業務上の問い合わせを行う必要性や、退職後の連絡方法について社内で確認します。