1. Google Workspaceのログイン情報を利用する

Google Workspaceへログインしているユーザーは、自分のメールアドレスを持っています。

このメールアドレスを利用すると、次のような情報を判定できます。

  • 所属部署
  • 役職
  • 閲覧権限

例えば、次のような区分ごとに表示内容を変更できます。

  • 一般社員
  • 総務
  • 人事
  • 役員

ユーザー自身が何かを選択する必要はありません。ログインしているだけで、自動的に適切な画面が表示されます。

2. 従来の管理方法で起こる問題

社員情報には、次のような、限られた担当者だけが閲覧すべき情報が含まれます。

  • 生年月日
  • 住所
  • 電話番号
  • 緊急連絡先

そのため、次のように複数のスプレッドシートで管理している企業も少なくありません。

  • 全社員向け名簿
  • 人事向け名簿
  • 管理者向け名簿

しかし、この方法では次のような課題が生じます。

  • 同じ情報を何度も更新する
  • 更新漏れが発生する
  • 部署異動時の修正箇所が増える

そこで有効なのが、「データは1つだけ管理し、表示だけを切り替える」という考え方です。

3. どのように動くのか

今回のデモでは、次の流れで画面を表示しています。

Google Workspaceへログイン
    ↓
ログイン中のメールアドレスを取得
    ↓
従業員マスタを検索
    ↓
所属部署・権限を取得
    ↓
表示できる項目を判定
    ↓
画面を表示

社員情報は1つのマスタだけを管理し、表示内容だけを変更しています。

4. デモで確認する

同じURLへアクセスしても、権限によって表示内容が変わります。

一般社員

表示される情報

  • 社員番号
  • 氏名
  • メールアドレス

必要最低限の情報だけを表示します。

一般社員権限でアクセスした場合のダッシュボード画面。社員番号・氏名・メールアドレスのみが一覧表示されている
一般社員権限でアクセスした場合の画面

人事・総務

表示される情報

  • 部署
  • フリガナ
  • 性別
  • 生年月日
  • 雇用形態
  • 入社日

管理業務に必要な情報まで閲覧できます。

人事・総務権限でアクセスした場合のダッシュボード画面。部署ID・性別・生年月日・フリガナ・雇用形態・入社日まで一覧表示されている
人事・総務権限でアクセスした場合の画面

デモページ

実際の動作は以下から確認できます。

一般社員デモページ 人事・総務デモページ

デモではGoogle Workspaceのログイン情報は利用していません。代わりに社員番号を指定し、権限による表示切り替えを再現しています。

実際の運用では、Google Workspaceへログインしているユーザーのメールアドレスから権限を判定します。

5. この仕組みはさまざまなシステムへ応用できます

今回ご紹介したのは「表示内容を切り替える」という基本機能です。同じ考え方で、次のような制御も実装できます。

  • 利用できるメニューを変更する
  • 編集できる項目を変更する
  • 管理者だけ設定画面を表示する
  • 承認者だけ承認ボタンを表示する
部署マスタのスプレッドシート。部署IDと部署名に加えて、従業員情報閲覧権限の有無(1または0)を持たせている例
部署マスタに閲覧権限フラグを持たせておく例

さらに、次のような、多くの社内システムで共通して利用できます。

  • 社員管理
  • 備品管理
  • 健康診断管理
  • ワークフロー
  • 社内ポータル
  • 会議室予約
  • 契約書管理

まとめ

Google WorkspaceとGoogle Apps Scriptを組み合わせることで、追加のシステムを導入しなくても、組織に合わせた社内システムを構築できます。

今回ご紹介した閲覧権限の切り替えは、その基本となる仕組みの一つです。

今後もこのシリーズでは、総務・バックオフィス業務を効率化するGoogle Apps Script活用事例を、実際のデモを交えながら紹介していきます。