任意の調査はメリットと負担を比べて判断する
本来的には、多くの調査に協力することが望ましいかもしれません。特に公益性が高い公的機関の調査には、積極的に協力したいところです。民間企業が実施する調査であっても、回答者に対して調査結果のフィードバックがある場合は、これまで知る機会のなかった他社の有益な情報を取得できることがあります。例えば、同業他社の採用状況や賃金水準、福利厚生の導入状況など、自社の施策を検討するうえで参考になる情報が得られるかもしれません。
一方で、回答にはそれなりの時間がかかります。調査によっては、社内の複数部署から情報を集めたり、過去のデータを集計したりする必要があり、相応の工数がかかることもあります。また、調査項目によっては、従業員の個人情報や会社の機密情報、取引先に関する情報などが含まれる場合もあります。任意の調査であれば、回答することによるメリットと、必要な工数や情報提供のリスクを比較して判断してもよいでしょう。
協力する範囲を総務で決めておく
あくまで協力する立場なので、通常業務を圧迫してまで回答する必要があるかどうか、一度、総務内で検討してもよいかもしれません。例えば、回答義務のない調査については、回答に必要な時間や調査結果の活用可能性などを基準に、対応するかどうかを決めておく方法もあります。また、調査依頼が届くたびに個別の担当者が判断するのではなく、総務で一元的に受け付けることで、回答漏れや重複回答を防ぐこともできます。
調査に協力すること自体は有意義ですが、すべての依頼に無条件で対応する必要はありません。回答義務のある調査には適切に対応し、任意の調査については、会社として協力する範囲を決めておくことが重要です。
確認ポイント
- 調査の実施主体と目的を確認しているか
- 法令上の回答義務がある調査か
- 回答期限や回答方法を確認しているか
- 回答に必要な工数を把握しているか
- 調査結果のフィードバックなど、会社にとってのメリットがあるか
- 個人情報や機密情報が含まれていないか
- 社内で回答の可否を判断する担当者が決まっているか
こんなケース、どうする?
国や自治体から調査票が届いた。
まず、調査の名称や実施主体、回答義務の有無を確認します。基幹統計調査など、法令に基づく報告義務がある場合には、適切に対応する必要があります。公的機関からの依頼であっても任意の調査はあるため、すべてを同じように扱う必要はありません。
民間企業からアンケートへの協力を求められた。
回答義務がない場合には、調査の目的や回答に必要な時間、調査結果のフィードバックの有無などを確認します。自社にとって有益な情報が得られる場合は、協力を検討してもよいでしょう。
調査への回答に複数部署の協力が必要になる。
回答に必要な工数を確認し、任意の調査であれば、通常業務への影響も踏まえて対応を判断します。総務が依頼を受けたからといって、必ずしも他部署に集計作業を依頼する必要はありません。
回答したくない項目が含まれている。
任意の調査であれば、回答可能な項目だけを回答する、あるいは回答自体を見送ることも考えられます。ただし、法令上の報告義務がある調査については、自己判断で回答を省略せず、調査実施機関へ確認します。
調査依頼が多く、対応しきれない。
調査依頼の受付窓口を総務などに統一し、回答義務の有無、公益性、回答工数、情報提供のリスクなどを基準に優先順位を決めておきます。任意の調査については、回答しないという判断も含めて、社内で運用を整理しておくとよいでしょう。