「捜査関係事項照会」と本人の同意
刑事訴訟法第197条第2項に基づく「捜査関係事項照会」として行われる場合、個人情報保護法上の「法令に基づく場合」に該当するため、本人の同意を得ずに情報を提供することができます。ただし実務上は、警察を名乗っているからといって、刑事訴訟法に基づく照会であると勝手に判断してはいけません。「電話ではその場で従業員情報を回答せず、照会元や照会の根拠を確認してから担当部署で対応する」というあたりを社内ルールとして決めておくとよいでしょう。また、警察等へ情報を提供した場合には、情報提供を求めた捜査官等の役職・氏名や、提供した情報などを記録し、後から説明できるようにしておくことも重要です。電話口での在籍確認全般への対応は在籍確認の電話への対応もあわせてご確認ください。
確認ポイント
- 警察からの問い合わせを誰が受けるか決めていますか
- 電話を受けた担当者がその場で回答しないルールになっていますか
- 警察署名、部署、担当者の役職・氏名を確認しますか
- どのような根拠による照会なのか確認しますか
- 捜査関係事項照会などを受けた場合の社内窓口を決めていますか
- 回答する情報を照会された範囲に限定していますか
- いつ、誰から、何を求められ、何を回答したのか記録しますか
こんなケース、どうする?
「警察ですが、○○さんは今日出勤していますか」と電話があった。
警察というだけでその場で回答せず、相手方や問い合わせの根拠を確認し、会社で定めた対応手順に沿って対応します。
捜査関係事項照会書が会社へ届いた。
照会元と内容を確認し、社内の担当部署へ回したうえで、求められた範囲について回答します。
「急いでいるので電話で住所を教えてほしい」と言われた。
緊急性だけを理由に担当者個人の判断で回答せず、照会元や照会の根拠を確認して社内ルールに従います。
従業員本人に確認してから回答しようとした。
刑事訴訟法第197条第2項に基づく照会であれば、本人の同意を得ずに情報を提供することができます。本人の同意を一律に回答の条件としないよう、対応方法を整理しておきます。
照会されていない情報まで回答しそうになった。
警察からの照会であっても、必要以上に従業員情報を提供せず、何を求められているのかを確認して回答範囲を限定します。