始末書と顛末書の比較
| 始末書 | 顛末書 | |
|---|---|---|
| 目的 | 本人に反省を促し、再発防止につなげる | 事象の経緯や原因、対応結果などを報告する |
| タイミング | ミスや不祥事の発生後 | 事態が収束し、経緯や原因などが明らかになってから |
| 提出者 | ミスや不祥事を起こした本人 | 本人のほか、上司や担当者などが客観的に作成することもある |
| 性格 | 会社によっては譴責などの懲戒処分として提出を求めることがある | 事実関係を報告する業務上の文書としての性格が強い |
| 提出の強制 | 反省や謝罪など本人の意思に関わる内容まで強制することには注意が必要 | 業務上必要な事実報告として提出を求めることができる |
一般的には上記のような違いがあります。
始末書は反省や謝罪の強制に注意する
特に注意したいのが、始末書の扱いです。始末書は、会社によっては譴責などの懲戒処分として位置づけられていることがあります。一方で、始末書には単なる事実報告だけではなく、本人の反省や謝罪を求める意味合いが含まれることがあります。そのため、業務上の報告書と同じ感覚で、反省や謝罪まで強制的に書かせることには注意が必要です。また、始末書の提出を懲戒処分として運用するのであれば、就業規則上どのように定められているのかも確認しておきます。
一方、顛末書は、事象の実態や発生原因、どのような対応を行い、どのように収束したのかを客観的に報告する意味合いの強い文書です。経営側が事態を把握し、再発防止に必要な措置を講じるうえで重要な資料となることがあります。そのため、業務上必要な事実関係の報告として、作成・提出を求めることができます。
受け取った後の保管と閲覧権限
総務は、受け取った始末書や顛末書の取り扱いにも注意が必要です。始末書は本人の反省と自覚を促すために「書かせることそのもの」に意味があり、その後の人事評価には直接使用しないという会社もあるでしょう。一方で、懲戒処分として始末書を提出させた場合や、同じようなトラブルを繰り返していることを確認する必要がある場合には、その記録を残しておく必要があります。
人事システムに始末書そのものを紐づける機能がない場合もあります。その場合でも、上長や人事が後から確認する必要が生じたときに、「いつ、どのような事象があり、どのような対応を行ったのか」を確認できるようにしておくとよいでしょう。ただし、始末書や懲戒に関する情報は、誰でも閲覧できる状態にするのではなく、必要な権限を持つ人だけが確認できるように管理します。懲戒処分を社内にどこまで知らせるかは懲戒処分の社内公表・氏名公表で整理しています。
確認ポイント
- 始末書と顛末書を社内でどう使い分けているか
- 始末書の提出が就業規則上の懲戒処分に位置づけられているか
- 事実報告と反省・謝罪を混同していないか
- 提出された文書をどこに保管するか
- 誰が閲覧できるのか
- 過去の処分や対応を必要なときに確認できる状態になっているか
こんなケース、どうする?
始末書の提出を拒否された。
まず、始末書を何のために提出させるのかを確認します。懲戒処分として提出を求めているのであれば、就業規則上の根拠や今回の処分の妥当性を確認します。単にトラブルの事実関係を把握したいのであれば、始末書にこだわらず、顛末書や報告書として事実関係の提出を求める方法もあります。
始末書に反省や謝罪を書いてくれない。
事実関係の報告と、本人の反省や謝罪は分けて考えます。会社として必要なのが事故やトラブルの原因究明であれば、反省文を書かせることよりも、何が起きたのかを正確に報告してもらうことが重要です。
同じ従業員が何度も始末書を提出している。
過去に始末書を提出したという事実だけで判断するのではなく、それぞれの事象や会社が行った指導・処分の内容を確認します。同様のトラブルが繰り返されているのであれば、始末書を書かせるだけではなく、原因や業務上の問題を確認し、再発防止につなげる必要があります。