会議室や応接室にご案内することはもちろんですが、お茶出しを行うことも総務の仕事・・・なのでしょうか。
時代は少しずつ変わりつつあります。もしかしたら、「総務がお茶を出すのが当たり前」という固定観念を、一度疑ってみてもよいのかもしれません。
1. コロナが加速させた衛生観念の変化
コロナ禍では、訪問する側も迎える側も、これまで以上に衛生面へ気を配るようになりました。
入口で手指消毒や検温をお願いしたり、マスクを着けたままパーテーション越しに打ち合わせをしたり・・・。当時はそれが失礼ではなく、お互いを気遣う配慮として受け入れられていました。
来客への飲み物も同様です。湯呑みやカップではなく、未開封のペットボトルをお渡しする企業が増えました。誰かが口を付けるものを扱う以上、密閉された既製品の方が安心できるという考え方です。
担当者があらかじめ会議室へ持参したり、会議室に常備したりする運用も珍しくありませんでした。総務がお茶を持って入室する必要もなく、商談を中断させることもありません。
では、そもそも湯呑みやカップでお茶を出さなければ失礼なのでしょうか。以前は、そのようなビジネスマナーが重視される場面も少なくありませんでした。しかし近年は、コロナ禍をきっかけとして、その考え方も少しずつ変わってきたように感じます。
2. 来客対応もセルフサービスという考え方
もちろん、すべてのお客様に同じ対応でよいわけではありません。役員クラスのお客様や、格式を重んじる場面では、従来どおりのおもてなしが望ましいこともあります。
一方で、多くの商談では、応対する社員がペットボトルのお茶を一本持って会議室へ向かうだけでも十分ではないでしょうか。社内でコンセンサスが取れていれば、総務がお茶出しのためだけに会議室へ入る必要はありません。
水やお茶は定期配送サービスを利用すれば在庫管理もしやすく、急な来客にも対応できます。一見するとペットボトルの方がコストが高そうに見えます。しかし、来客数自体はWeb会議の普及で減少している企業も少なくありません。
湯呑みや急須を洗う手間や、お茶出しの時間まで含めて考えると、差はそれほど大きくないのかもしれません。飲み終われば分別して捨てるだけ・・・。総務の負担はかなり軽くなりそうです。
強いて課題を挙げるとすれば、保管スペースの確保や、従業員が自由に持ち出さないような運用ルールづくりくらいでしょうか・・・。
3. 来客対応そのものも社員セルフ化できないか
そもそも、一次受付はともかく、エントランスまで迎えに行き、会議室へ案内することも、担当社員自身が行える場面は多いのではないでしょうか。
「到着されましたら私へ直接ご連絡ください。」
そんなやり取りを事前にしておけば、担当者がそのまま迎えに行けば済みます。決して対応をドライにしたいわけではありません。
「13時に〇〇様がお見えになりますのでご案内お願いします。」
そんな伝言を何人も経由するほど、連携ミスや伝達漏れは起こりやすくなります。お客様を一番よく知っているのは担当者本人です。その担当者が直接お迎えし、ご案内し、打ち合わせを始める方が、結果として自然な対応になることも少なくありません。
ペットボトル一つ、受付対応一つ・・・。どこまでがおもてなしで、どこからが慣習なのでしょうか。
本当に大切なのは、お茶を誰が出すかではなく、お客様に気持ちよく打ち合わせをしていただくことです。その目的を果たせるのであれば、総務だけが担う必要はない仕事もあるはずです。
まとめ
「昔からそうだから」。その一言で思考を止めるのではなく、今の自社にとって本当に必要な業務なのか・・・。そんな視点で見直してみるのも、総務の大切な仕事なのかもしれません。