1. 結婚申請は書類回収が大変

結婚すると、会社ではさまざまな変更手続きが必要になります。例えば、

  • 姓の変更
  • 従業員マスタの更新
  • システムアカウントの変更
  • 名刺の再作成
  • 給与振込口座名義の確認
  • 健康保険・厚生年金の手続き
  • 扶養追加手続き
  • 各種保険の変更

などです。また、姓は変わらない、扶養も追加しないという場合でも、住民票や婚姻を証明する書類など、何らかの提出書類が必要になるケースがあります。

問題は、必要書類がすぐに揃うとは限らないことです。例えば、結婚を機に新居へ引っ越す予定だが、仕事の都合で配偶者だけ後から入居する。このような事情があるにもかかわらず、「住民票を提出してください。」と何度も連絡してしまうと、お祝いムードに水を差してしまいます。

総務は従業員の事情をすべて把握できませんし、従業員も総務が手続きを急ぐ理由を理解しているとは限りません。そこで、書類回収そのものを社員セルフサービス化してしまいます。

2. Googleフォームから提出フォルダを自動生成

まずは結婚申請フォームを作成します。フォームには例えば、

  • 姓の変更有無
  • 仕事上の氏名変更希望
  • 扶養追加の有無
  • 配偶者情報

などを入力してもらいます。

フォーム送信後、GASが自動的にGoogle Drive上へ申請者専用の提出フォルダを作成します。さらに入力内容から必要書類を判定し、

  • 提出が必要な書類
  • 提出期限
  • 提出先フォルダ

をメールで案内します。提出フォルダは申請者専用となるため、どの書類を提出すればよいか迷うこともありません。

また、一定期間提出がない場合は、自動的にリマインドメールを送信することもできます。「催促」ではなく、「提出忘れを防ぐためのお知らせ」として運用するとよいでしょう。

3. 提出フォルダを自動監視する

ここで活躍するのがGASです。GASでは提出用フォルダを定期的に確認し、新しいファイルがアップロードされたことを検知できます。流れは次のようになります。

結婚申請フォーム
      │
      ▼
提出フォルダを自動作成
      │
      ▼
従業員が書類をアップロード
      │
      ▼
GASが提出を検知
      │
      ▼
総務ダッシュボードへ表示
      │
      ▼
内容確認
      │
      ▼
確認済フォルダへ移動

総務は提出された書類だけを確認すればよく、Google Driveを何度も開いて確認する必要はありません。

また、確認済フォルダへ移動すると同時に、

  • ファイル名を命名規則に合わせて変更
  • 提出日時の記録
  • 確認者の記録

などもGASで自動化できます。さらに、提出フォルダと確認済フォルダの両方を監視することで、未提出・提出済・確認済を一覧で管理することも可能です。

必要書類がすべて揃った時点で、本人へ完了通知を送り、提出フォルダをクローズすれば一連の手続きは終了です。

4. 周辺業務も連携できる

結婚申請を起点として、他の業務へ連携することもできます。例えば、

  • 情シスへアカウント変更依頼
  • 人事へ従業員マスタ更新依頼
  • 経理へ給与口座変更依頼
  • 慶弔金や祝電の手続き

などです。会社によっては総務がこれらを兼務している場合もあります。その場合は、総務向けWebサイトへタスクとして表示し、未対応・対応中・完了まで管理すると、さらに業務を効率化できます。

結婚申請を起点に、情シスへのアカウント変更依頼、人事への従業員マスタ更新依頼、経理への給与口座変更依頼、慶弔・総務への慶弔金や祝電の手続きが自動的に各担当へ通知され、総務タスク管理画面で未対応・対応中・完了の件数を可視化する仕組みを示した図
結婚申請を起点とした周辺業務への自動連携イメージ

まとめ

結婚申請で総務が大変なのは、申請書を受け取ることではありません。必要書類がいつ揃うのか分からないことです。

Googleフォーム、Google Drive、GASを組み合わせれば、提出フォルダの自動生成、必要書類の案内、リマインドメール、提出状況の可視化、書類確認、完了通知までを社員セルフサービスとして構築できます。

もちろん、紙でしか提出できない書類が多い企業では、無理に電子化すると運用が複雑になることもあります。その場合は紙運用を前提にした方が効率的なケースもあるでしょう。

一方で、電子データで提出できる書類が中心であれば、書類回収から進捗管理までをセルフサービス化することで、総務は「書類を集める人」ではなく、「内容を確認する人」へ役割を変えることができます。小さな業務から社員セルフサービスを取り入れることが、ペーパーレス化と業務自動化への第一歩になります。